■長崎の「ハンドルを握る」カイオ・セザール
エジガル・ジュニオ加入の効果が大きい長崎で、チームを支えているのはカイオ・セザールだ。
昨シーズン途中に川崎フロンターレから期限付き移籍で加入し、今シーズンも引き続き長崎でプレーするこのブラジル人ボランチは、ボールを奪い取り、失わず、運んでいける力がある。また、奪ったボールをすぐに攻撃へつなげるのか、それとも急がずにボールを動かすのかの判断が適切で、「ボランチ」の語源にふさわしくチームの「ハンドル」を握っている。
昨シーズンは17試合出場で1点も挙げていないが、今シーズンはここまで5得点を記録している。6節の岡山戦では2対1の勝利につながる決勝点をマークし、27節のギラヴァンツ北九州戦では89分に同点弾をねじ込んだ。30節の水戸ホーリーホック戦では、先制された直後に右足シュートを決め、4対1の逆転勝利のきっかけを作った。
今シーズンは出場停止だった31節を除く全試合に出場している。プレータイムではダブルボランチのコンビを組む秋野央樹、最終ラインの中心となっている二見宏志らに及ばないものの、彼の存在感は絶大だ。背番号40を背負う彼こそは、ラストスパートを仕掛ける長崎に不可欠な選手である。