「やっぱり、J勢も必要だ」日本代表に呼びたいJ精鋭選手(2)神戸・古橋、浦和・興梠、そしてJで最も輝く横浜M・喜田拓也の画像
横浜Fマリノスの喜田拓也 撮影/中地拓也

※第1回はこちらか

久しぶりに見る日本代表の2試合には緊張感がみなぎっていた。コンディションがいまいちの選手もいたし、プレーに迷いがあるFWも、試合勘が鈍っていそうなMFもいた。最後の最後、180分を戦った末の追加タイムの劇的ゴールが、国家代表戦ならではのカタルシスをもたらした。そして、同日の夜、J1の試合があった。今年のJリーグは面白い内容のゲームがとても多い。今節も充実した試合がいくつもあった。ヨーロッパを主戦場とする選手たちにプラスして、Jリーガーを日本代表で見てみたい気持ちが高まった。

■「永井謙佑FC東京)、清武弘嗣セレッソ大阪)、古橋亨梧ヴィッセル神戸)を見たい

 首位川崎には大きく引き離されているもののJリーグで2位につけるFC東京からは、何と言ってもFW永井謙佑(31歳)だ。2012年のロンドン・オリンピックで世界を驚かせた爆発的なスピードに衰えはなく、そのスピードをフルパワーで守備にも生かせる選手は世界にもそういない。ディエゴ・オリヴェイラとのコンビで、パスセンス、アシストの能力も磨かれ、高いレベルに成長した永井を、もういちど日本代表で見てみたいと思うのは私だけだろうか。FC東京の守備陣では、森重真人(33歳)が充実したシーズンを送っている。調子の波がなくなり、本当に信頼できるセンターバックとなった。

 3位セレッソ大阪では、攻撃を牽引する清武弘嗣(30歳)を挙げたい。欧州からC大阪に戻って4シーズン目。ケガがちだったが、今季は万全の体調でチャンスをつくり続けている。43試合の代表歴をもち、国際経験も十分。左サイドのチャンスメーカーとして、「森保ジャパン」の攻撃を活性化できる人材だ。

 監督が交代するなど、Jリーグでは思わぬ順位(10位)になっているが、昨年度の天皇杯優勝チーム、ヴィッセル神戸には、気になる選手が何人もいる。FW古橋亨梧(25歳)、MF山口蛍(30歳)、そしてDF酒井高徳(29歳)だ。山口と酒井は長く日本代表を務め、経験は豊富だが、ともに非常に良いコンディションで今季を戦っており、森保監督にとって計算できる選手に違いない。とくに長友佑都(マルセイユ=34歳)が欠場して10月の2試合では手薄だった左サイドバックには、神戸で攻撃面の成長が著しい酒井を使いたかったはずだ。

 古橋は奈良県出身、無名の存在だったが、J2の岐阜FCでブレーク、一昨年のシーズン半ばに神戸に移籍した選手。爆発的なスピードをもち、突破からシュートにかかる決断力とシュートの正確さでは現在の日本代表FW陣よりも優れているかもしれない。Jリーグの日本人選手としては川崎の小林(12得点)に次ぐ11得点を記録している。

 このほかにも、「日本代表で見てみたい」と思わせる選手はたくさんいる。柏のFW江坂任(28歳)の才能は、Jリーグだけで終わらせるにはもったいなさすぎる。浦和の試合を見れば、槙野とともにFW興梠慎三(34歳)のプレーにやはり目を奪われる。日本代表が「ワントップ不在」で苦しむなら、興梠は明日にも使えるオプションだ。

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