■長崎が今シーズン初黒星! 徳島が止めた!!

 各チームの戦いに目を移すと、7勝2分で首位を快走してきた長崎がシーズン初黒星を喫した。勝ったのは徳島である。

 試合はキックオフ早々に動く。徳島の垣田が、電撃的な先制点を奪ったのだ。公式記録上は1分だが、実際は1分にも満たない時間帯である。

 スペイン人のリカルド・ロドリゲス監督が率いる徳島は、J2屈指のタクティカルなチームである。シーズン再開から8節までは3バックでスタートしていたが、9節の山形戦から4バックに軸足を移した。この長崎戦も4-3-3でスタートしている。

 そうは言っても、4-3-3はあくまでも基本的な立ち位置でしかない。ポゼッション時は2バック気味にも3バック気味にもなり、ディフェンス時には4-4-2に立ち位置を変える。4-4-2は同じでも選手の並びが入れ替わることもある。彼らにとってシステムを表わす数字は、電話番号のようなものかもしれない。数字の並びに大きな意味はないのだ。

 後半開始早々には、相手GKのミスから追加点を奪う。渡井のドリブルシュートで3対0としたあとに失点したが、しっかりと守備を整えながらチャンスをうかがう流動性の高いサッカーで、首位チームを撃破したのだった。

 10節終了時点の順位は、7勝2分1敗の長崎が首位のままで、勝点19で徳島、ギラヴァンツ北九州、それに消化試合数がひとつ少ない大宮アルディージャが続いている。さらに勝点18の京都サンガが6位に、同17のジュビロ磐田が7位につけている。

 注目は北九州だ。J3から昇格1年目のチームは、山口、徳島、松本山雅FC、ザスパクサツ群馬を連破している。

 4度のJ1昇格経験を持つ小林伸二監督のチームにも、東京五輪世代のフレッシュなタレントを見つけることができる。このチームを掘り下げるべき機会が、これから増えていくに違いない。

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