■ルーキーのFWをサイドバックにコンバート

 岡山戦の長崎は、前節のFC琉球戦からスタメンを7人入れ替えている。今シーズン加入した前湘南ベルマーレのフレイレ、川崎フロンターレから期限付き移籍中のカイオ・セザール、今シーズン加入した背番号10のルアン、それに元コロンビア代表FWイバルボと、4人の外国籍選手が出場した。J2のなかでもトップクラスの選手層を誇るのは間違いない。

 そのうえで言えば、保有戦力を無駄なく、漏れなく機能させている手倉森監督の手腕は見逃せない。再開後の試合では交代で投入された選手が得点に絡んでいるが、この日も途中出場の大竹が同点ゴールを決めている。

 また、右サイドバックと右ウイングバックを担当する毎熊晟矢は、FWとして獲得した大卒ルーキーだ。岡山戦でもカイオ・セザールの決勝点につながるクロスを供給している。

 コンバートの理由について手倉森監督は、「彼の身体能力は中盤やサイドでも効くのではと考えた。チームとしてボールを持って動かそうとしているなかで、毎熊はプレッシャーを受けても怖がらない。高い位置へ勇気を持って出ていける」と説明する。指揮官が選手のポテンシャルをしっかりと引き出していることも、スタートダッシュに成功した理由にあげられるはずだ。

「メンバーを替えて体力の消耗を分散して、それでも勝ち切ることを示したい。それができれば連戦でも勝てるチームなんだという確信を持てる」

 琉球、岡山とのアウェイ2連戦を前に、手倉森監督はこんな話をしていた。岡山を逆転で退けた一戦は、チームの勢いをさらに加速させるに違いない。

 次節は3位の京都をホームに迎え撃つ。ここで勝点3を取れるか、勝点を相手に渡さないかは、長崎の今シーズンを左右しそうだ。

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