■忘れてならない「全試合フル出場」2選手
そして忘れてならないのは、今季新潟から移ってきたGK小島だ。古賀とともに全試合にフル出場。万全の守備を見せるとともにビルドアップに参加してロドリゲス監督のチームづくりに大きく貢献した。
柏はこれまでの35試合で他を圧倒する2万1389本(1試合平均611本)のパス本数を記録。2位セレッソ大阪の1万8602本(1試合平均532本)、20クラブ平均の1万5572本(1試合平均445本)と比較すると、柏がどんな試合をしているか、明白なのではないか。
近年はパスを多用する「ポゼッションスタイル」は「時代遅れ」と言われ、Jリーグでもボールを保持するより、奪ったところから数少ないパスで攻め切るという考えのサッカーを進めるチームが増えている。
現時点で「数字の上では優勝圏内」の5チームのパス本数を見ると、広島の1万6089本(1試合平均460本)と鹿島(1万5606本、平均446本)の2チームはほぼ全チームの平均に近く、神戸は「1万4740本、平均421本」と少ない。京都にいたっては、35試合で1万2869本(平均368本)。全20クラブのなかで3番目の少なさとなっている。
京都のチョウ・キジェ監督が言うように、「パスをつなぐのが良いサッカー」という考えは間違っている。しかし時代の潮流に逆らい、細かくパスをつなぎながら相手守備の穴をうかがい、そこから京都(59得点)、鹿島(53得点)と十分対抗できる55得点を記録しているのは、特筆すべきだろう。








