柏を引っ張る覚醒30歳と元浦和MF…、2万1389本の記録が示す「時代に逆行」リカルドイズムで「ど真ん中」鹿島に挑む【鹿島の9回目、柏の14年ぶり、横浜FMの初は?J1「ラスト3戦」こうなる】(2)の画像
前節、自分たちの「スタイル」を貫き通して勝利を手にした柏レイソル。小泉佳穂(写真右)らは、このまま頂点へと駆け上がれるか。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 暦は11月に入り、Jリーグも最終盤へと突入。優勝争い、あるいはJ1生き残りをかけ、その戦いは激しさを増している。2025年のJ1は、どのようなクライマックスを迎えるのか。「ラスト3節」を前に、サッカージャーナリスト大住良之が「今後」を検証する!

■エース「浦和レッズ移籍」で不安も…

 昨季は「堅守」とMFマテウス・サヴィオを軸とした「速攻」で戦い、17位でかろうじてJ1に残留という状況の柏レイソルだったが、今季はリカルド・ロドリゲス監督を迎えてパスサッカーに切り替え、まったく別のチームとなった。マテウス・サヴィオの浦和レッズへの移籍でシーズン前には不安をささやかれていたが、開幕直後から「リカルドイズム」が発揮され、シーズンを通じて上位を保ってきた。今季5位より下に下がったことがないのは柏レイソル、ただ1チームである。

 京都橘高校から2014年に名古屋でプロになり、京都サンガF.C.サガン鳥栖を経て2022年に柏に移籍したMF小屋松知哉(30歳)が左サイドから突破してチャンスをつくるだけでなく、献身的に攻守をこなしてチームをけん引している。昨季までは目立つ選手とは言えなかった小屋松だが、今季の働きは間違いなくリーグのベストイレブン候補だ。

 前線で体を張り、「ハイプレス」の先導役となったFW垣田裕暉(6ゴール)、そして交代出場が多かったものの短い時間で好プレーを見せたFW細谷真大(8ゴール)の「ダブルエース」を持っていることは、柏の大きな強みだ。

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