■J1昇格争いの行方は…
残り9試合となった今節終了時点で、首位の水戸から6位の仙台までが勝点「6」差で競り合っている。7位のRB大宮は仙台と勝点1差、8位のサガン鳥栖は勝点2差、9位のFC今治は勝点5差だ。J1自動昇格の2位以内はもちろん、プレーオフ出場の6位以内をめぐる争いも、依然として結末が読めない展開だ。
史上まれにみる混戦である。そのうえで、29節終了時点の順位にどこまで意味があるのか、過去のシーズンを調べてみる。
24年シーズンは、横浜FCが勝点63で首位に立ち、清水エスパルスが勝点61で2位につけていた。最終的に清水が勝点82でゴールテープを切り、横浜FCが勝点76で2位を確保した。
3位の長崎は29節終了時点から変わらず3位で、4位の仙台は最終的に6位で、5位のファジアーノ岡山はそのまま5位でフィニッシュした。
4位のモンテディオ山形は、29節終了時点で9位だった。6位のレノファ山口FCと勝点8差があったが、30節から9連勝で一気にプレーオフ圏まで浮上したのだった。
23年は、FC町田ゼルビアが勝点60の首位で、ジュビロ磐田が勝ち点54の2位で29節を終えている。以下、清水が勝点49で3位、東京ヴェルディが勝点49で4位、長崎が勝点46で5位、ヴァンフォーレ甲府が勝点46で6位だった。
最終的な順位は町田、磐田、東京V、清水、山形、千葉である。29節終了時点で9位の山形と10位の千葉が、プレーオフ圏に食い込んできた。
23年の町田、24年の横浜FCと清水は、昇格の目安となる試合数の倍の勝点を、29節終了時点で稼いでいる。それに対して今シーズンは、首位を走ってきた水戸もノルマに届いていない。自動昇格の本命が見当たらない理由がそこにある。
今節はJ3自動降格圏の山口が、千葉を破った。下位に沈むロアッソ熊本も、徳島を撃破している。上位だけでなく下位チームも勝点3がほしいなかで、J1昇格争いは終盤へ向かっていく。