■10試合終了時点の勝点の意味とは?
長崎は外国人選手が個の力を発揮することで、昨シーズンのJ2でリーグ最多得点を記録した。しかし、今季は7節から藤枝MYFC、FC今治、サガン鳥栖に3連敗を喫し、今節は甲府と1対1のドローである。守備時は5バックにもなるチームから、連続して勝点3を逃している。ブロックを敷かれたなかでの攻め筋を、現状では見出せていない印象だ。
長崎はこれで4試合未勝利となり、勝点15で6位から7位へ順位を下げた。もっとも、現時点での順位はほとんど意味をなさない。6位の水戸から17位の北海道コンサドーレ札幌までの12チームが、1勝分の勝点「3」差でひしめき合っているのだ。
首位のジェフユナイテッド千葉が9勝1敗の勝ち点27で一歩抜け出し、2位のRB大宮アルディージャが6勝2分2敗で勝点を「20」に乗せているが、2位以下は明らかな混戦だ。前節まで勝利のなかった愛媛といわきFCも勝点3をゲットしており、下位の勝点差も詰まっている。
今節で10節を終えた。過去5シーズンの自動昇格チームを見ると、もっとも勝点が多いのは22年の横浜FCの「26」だ。以下、23年のFC町田ゼルビアの「23」、24年の清水エスパルスと21年の京都サンガの「22」となっている。横浜FC、町田、清水は10節終了時の順位が1位で、そのまま2位以内を確保した。21年の京都は、2位と勝点3差の3位だった。こうしたデータを見ると、今シーズンの千葉は相応のアドバンテージを得ていると言える。
他方、10節終了時点でもっとも勝点の少ない自動昇格チームを探すと、23年の磐田が浮かび上がる。3勝4分3敗の勝点13で10位だったのだ。また、20年のアビスパ福岡は、4勝3分3敗の勝点15で9位である。
23年の磐田は最終的に21勝12分9敗、20年の福岡は25勝9分8敗でフィニッシュした。10節終了時点からの巻き返しは可能だが、自動昇格圏へ食い込むには負け数を抑えることはマストだ。そのうえで、どこかでアクセルを踏み込んでいかなければならない。
25日開催の11節からは4連戦となる。シーズン序盤のポイントとなるこのタイミング、果たしてどのチームが抜け出すのか。