■三笘薫が還元するブライトンでの積み重ね
しかしながら、ふたを開けてみると、中国戦からの変更は久保建英(レアル・ソシエダ)から鎌田大地(クリスタルパレス)へというものだけ。三笘は今回も頭から左の切り札と位置づけられた。ただ、相手も彼のところは2枚がかりでマーク。スペースを消してきたこともあって、前半はドリブルで局面打開できるシーンは少なかった。それでも、彼は大外に位置し、左シャドウの鎌田がポケットを取る動きを繰り返し、揺さぶりをかけていった。
「意外と(相手が)引かずに来ていたところもあったので、リスクをあまりかけずに前線に蹴ろうと全員で言っていた。そこからセカンドボールの回収を意識しました。(前半36分の上田綺世=フェイエノールトの)1点目はラッキーでしたけど、我慢強く戦ったことで僕らに流れが来たかなと思います」と本人もムリに仕掛けに行かずに冷静に戦況を見定めていたことを明かす。
そして後半。右の伊東純也(スタッド・ランス)が登場し、攻撃のギアが一気に上がるのを背番号7は見逃さなかった。開始早々に自らがボールを奪取。鎌田につなぎ、スルーパスが伊東に通って、最終的に上田が豪快な反転シュートで2点目を挙げたのだ。
「自分はWBですけど、サイドではなくて、ペナルティエリアの幅くらい中のところから走ることで、相手も嫌だと思いますし、そこで失っても、すぐに切り替えれば、よりゴールに近い形を作れる。それはブライトンでもやっていることなんで」と背番号7はクラブで積み重ねていることを代表に還元してみせた。