■優勝争いの変化

 だが、ここ数年、J1リーグの優勝争いの様相はかなり変わってきていた。

 2017年に川崎が悲願のJ1リーグ初優勝を達成したが、この時は最終的に2位の鹿島アントラーズと勝点72で並ぶという激しいデッドヒートを繰り広げた末の優勝だった。

 だが、翌2018年には川崎が2位のサンフレッチェ広島に12ポイントの差をつけて連覇を達成。2019年には、アンジェ・ポステコグルー監督(現トットナム・ホットスパー監督)の下で超攻撃的サッカーを展開した横浜FMが覇権を握ったが、この時は2位のFC東京に6ポイント差を付けた。

 そして、2020年と2021年には川崎が圧倒的な勝点で圧勝する。

 2020年の川崎の勝点は83ポイントで、2位のガンバ大阪に18ポイント差を付け、2021年の川崎の勝点はなんと92。普通なら優勝間違いなしの79ポイントを記録した横浜FMに13ポイントもの差をつけたのだ(このシーズンは新型コロナウイルス感染症拡大の影響でチーム数が増え、38試合のリーグ戦だった)。

 さらに、昨シーズンは優勝した横浜FMと2位の川崎との勝点差はわずかに2ポイントだったが、横浜FMと3位のサンフレッチェ広島との差は13ポイントもあった。

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