■「Jリーグらしい光景」
さらに、3位の名古屋グランパスもセレッソ大阪とのアウェーゲームを1対3のスコアで落とし、この結果、ダービーマッチで大敗を喫した横浜FMが首位の座を保って8月の戦いを終えることとなった。
こうしたいくつもの波乱が起こった中、上位チームの中で唯一、勝点3をゲットしたのは浦和レッズだった。だが、8月25日の金曜日夜の試合で最下位の湘南ベルマーレを破った試合は内容的には大苦戦だった。
相手のミスパスを拾った岩尾憲からのパスを受けたホセ・カンテが見事なシュートを決め、浦和が虎の子の1点を守り切ったのだが、チャンスの数ではむしろホームの湘南が上回っていた。湘南に決定力のある選手(たとえば、町野修斗)がいたら、浦和の勝利はなかったかもしれない。
こうして、上位チームが軒並み大苦戦を強いられた第25節だった。
これは、ある意味で「Jリーグらしい光景」である。
リーグ戦の終盤に差し掛かると、メンタル的な影響のせいか、首位に立ったチームが勝点を落としてしまうことが多い。また、基本的にヨーロッパの各国リーグに比べて上位と下位の実力差が小さいのがJリーグ。下位チームでも相手の良さを消す戦いを徹底して、上位チームに簡単に勝点を与えない戦いを挑む。
こうしたことこそが、Jリーグというリーグの特徴のようなものだった。