■求められる「経験」

 私は、前半を0-1のまま折り返すことができたら、ハーフタイムの池田太監督のアドバイスと選手たちが落ち着くことによって後半は盛り返すことができるのではないかと期待していた(前半の終わりごろにスウェーデンのシュートがポストを直撃したときには、それを確信した)が、後半立ち上がり早々のPKでの2失点目で相手に力を与えてしまった。

 結果的に見れば、なでしこジャパンは、現在の欧州のトップクラスのサッカーのトレンドであるインテンシティを最高レベルで実現した相手に対する準備ができていなかったということになるのだろう。この試合の先発には、欧州のトップクラブ(フランスリヨンやドイツのバイエルン・ミュンヘン)で長い経験をもち、今夏にローマへ移籍したDF熊谷紗希を中心に、DF南萌華(ローマ)、MF清水梨紗(ウェストハム)、MF長谷川唯マンチェスター・シティ)、MF長野風花(リバプール)と、欧州でプレーする選手が並んでいたが、それでも「経験」が不足していたのだろう。

 ちなみに、スウェーデンの先発11人の内訳は、イングランドが6人(アーセナルチェルシーがともに2人、他はエバートンとマンチェスター・シティ)、スペインが1人(バルセロナ)、ドイツが1人(バイエルン・ミュンヘン)、イタリアが1人(ACミラン)、そしてスウェーデン国内でプレーする選手が2人だった。

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