■夏復帰の鈴木唯人が離脱しても不安なし

 東京Vとの上位対決を制したことで、清水は得失点差で3位に浮上した。J1自動昇格圏が見えてきたが、東京V戦後のGK権田修一は「いまの時点で順位は気にしていません」と話している。

「ウチは(ゼ・リカルド前監督のもとで戦った)最初の7試合で勝点をなかなか取れなかったので、そのぶんの厳しさはありますけれど、過去を嘆いてもしょうがない。とにかく勝点3を積み重ねていく。(12日の30節で対戦する)山口は監督が変わって、勢いを持ってくるチーム。まずは山口戦に勝つことに集中したい」

 レノファ山口FC戦の次は、首位のFC町田ゼルビアをホームに迎える。J1自動昇格圏の2位以内へ食い込むには、勝点3奪取がマストとなる一戦だ。町田戦へ弾みをつけるためにも、6月からフアン・エスナイデル体制へ移行した18位の山口を、確実に倒したいところだ。

 清水は夏の移籍市場でストラスブールから復帰したMF鈴木唯人が、デンマーク1部ブレンビーへの完全移籍を前提にチームを離脱した。鈴木は直近の東京V戦で4-2-3-1のトップ下で先発起用され、劣勢の展開で鮮やかな決勝ゴールを決めている。パリ五輪世代の有望株の復帰でオプションが増えていたが、秋葉監督就任後は彼抜きで勝点を重ねてきた。その離脱が決定的なダメージになることはない。

 J1昇格プレーオフ圏のチームでは、5位のV・ファーレン長崎がスペイン人CBのカルロス・グティエレスを町田から獲得した。ブラジル人CBのカイケが、大宮アルディージャへ期限付き移籍したことに伴う補強だ。

 6位のヴァンフォーレ甲府は、長崎からFWクリスティアーノを期限付き移籍で獲得した。14年と16年に甲府でプレーした36歳のブラジル人アタッカーは、8シーズンぶりの古巣復帰となる。J1、J2合計で109ゴールを記録してきたクリスティアーノの獲得で、連敗中の甲府は再びアクセルを踏み込んでいく。

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