■メキシコ人FWが出場へのライバルか

 しかしながら、オランダメディア『Voetbal International』によると、アルネ・スロット監督は22歳のメキシコ人FWサンティアゴ・ヒメネスを特に重要視しているという。昨季加入したフェイエノールトでオランダ1部・15ゴールを決め、得点ランキング4位に入っている。彼には移籍の噂があるため、今季残留するかは不透明だが、残った場合は上田への影響は大きい。1トップではなかなか試合に出られなくなるかもしれない。

 同クラブには、ヒメネス以外にも、イラン代表FWアリレザ・ジャハンハフシュ、ブラジル人のイゴール・パイシャオンら実績あるFW陣がいて、上田が試合に出られる保証はない。

 昨季のセルクル・ブルージュでも2シャドウの一角などでプレーしているが、今季もFWを目指しつつ、幅広い役割をこなす覚悟を持って挑んでいくべきなのかもしれない。

「綺世のようなシュートのうまい日本人選手はなかなかいない。彼がどこまで行くか楽しみ」と鹿島アントラーズの岩政大樹監督も以前、語っていたが、確かに上田ほどの多彩な得点パターンを持つ選手は少ない。その底力がどこまでオランダ、CLで通用するのか。まずは13日の今季開幕・シッタード戦からの動向を見極めていくべきだろう。

(取材・文/元川悦子)

(2)へ続く
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