■失点5分後の驚き
さらに驚くのは、その5分後、川崎の同点ゴールだった。スタートはやはり浦和のGK西川である。相手のゴール前へのパスをカットした西川は、しばらく両手でボールを保持した後、ペナルティーエリア内右のDFアレクサンダー・ショルツにパス。ショルツはさらに右サイドバックのDF明本考浩にボールを送った。
ボールを受けた明本はいちど前を見た後にショルツにバックパス。ショルツはペナルティーエリアを横断するようなパスをエリア左に開いたDFマリウス・ホイブラーテンに送る。川崎はワントップのFW宮代大聖とトップ下のMF脇坂泰斗が横並びになってペナルティーエリア内でこのパス回しを追う。ショルツのパスがややゆるかったこともあり、宮代が迫ってきたことでホイブラーテンはGK西川へのバックパスを選択。ボールを止めた西川は、中央に戻ってきたFM岩尾憲の足元へのパス出す。
そこに川崎MFジョアン・シミッチが鋭くアプローチ。察した岩尾はワンタッチで西川にバックパス。このパスが速すぎたわけでも、浮いたわけでも、どちらかにぶれていたわけでもない。西川の正面にプレーしやすいグラウンダーのボールが転がった。
ところが西川が右に展開しようと左足インサイドで右方向にコントロールしようとしたボールは、その左足から西川の体の後ろに流れ、そのままゴールにはいってしまったのである。もちろんオウンゴールである。