■大迫不在時の攻撃パターンは…?
GKが3人、DFが8人、MFとFWで13人を当確とすると、残りは「2」枠だ。
今回の欧州遠征には選ばれていないものの、トップフォームを取り戻せば大迫が選ばれるだろう。同様にコンディションが回復すれば、浅野拓磨もメンバー入りするはずだ。それで26人になる。
彼らの状態が芳しくないまま、W杯を迎えることになった場合はどうか。今回招集されている上田綺世、前田大然、町野修斗らにチャンスが出てくる。一方で、町野とともに7月のE-1選手権のメンバーから選出された相馬勇紀は、三笘とポジションが重なってしまう。メンバー入りは厳しい立場だ。
ならば、大迫と浅野の「枠」に滑り込むのは誰なのか。
上田はポストプレーもそつなくこなすものの、大迫と同タイプに分類するのはやや無理がある。新天地ベルギーでも、はっきりとした結果を残せていない。
湘南で2トップの一角を担っている町野は、4-3-3ならCFに当てはめられる。ただ、彼も大迫とはタイプが異なる。
前田はDFラインの背後へのランニングに特徴がある。対ドイツ、対スペインでは彼を生かしたカウンターが効果を発揮しそうだが、古橋と浅野がいればカウンターの担い手は揃う。それならば、違うタイプを選んだほうがいいだろう。
上田も町野も前田も、代表入りを裏づける決定的な要素はないというのが現時点での立ち位置だ。だからこそ、大迫も浅野もいない今回の活動で、彼らは「自分は何ができるのか」を示さなければならない。
森保監督の立場になれば、大迫不在時の攻撃パターンを確認しつつ、W杯を見据えた戦略を立てる。それこそが、9月の2試合のメインテーマだ。同時に、システムと選手の整合性も、はからなければならない。それぞれの選手の起用法を明確にしながら、攻撃的なオプションを固めていくのである。
いずれにしても、最終的に誰がW杯メンバーに選ばれるかについては、9月シリーズ後のパフォーマンスを追跡していくのが前提だ。欧州各国リーグの中断後すぐにW杯が開幕するだけに、代表でコンディションを整える時間はない。所属クラブでしっかりとプレーしていることは絶対条件で、FWについては得点やアシストを決めているのか、つまり勢いがあるのかどうかも選考の条件に加わってくる。