■旗手は「4人目のMF」
アメリカ代表、エクアドル代表と対戦する日本代表「9月シリーズ」に招集された30人から見る、カタールW杯メンバー「26人」――MFとFWでは、13人が当確と読む。
4-3-3のシステムで中盤を構成する遠藤航、守田英正、田中碧、右ウイングの伊東純也、左ウイングの南野拓実に加えて、鎌田大地、堂安律、久保建英、古橋亨梧、三笘薫、旗手怜央、それに原口元気と柴崎岳である。
旗手はW杯出場決定後のベトナム戦で先発に名を連ねたが、6月は招集を見送られた。この時点では当落線上のひとりだったが、所属するセルティックでポジションをつかんでおり、日本代表のインサイドハーフにも無理なく当てはめられるだろう。また、左SBや左ウイングにも適応でき、戦術的な柔軟性を促してくれる存在とも言える。
付け加えれば、守田と田中に加えて谷口、山根、左ウイングの三笘は、川崎フロンターレ在籍時のチームメイトである。吉田、酒井、遠藤らとは、東京五輪でともにプレーしている。チームへのフィット感に不安はない。最終予選同様に4-3-3を主戦術とするならば、旗手は遠藤、守田、田中に次ぐ4人目のMFとしてチームの命運を左右すると言ってもいいだろう。
鎌田、堂安、久保は、彼らにとって最適なシステムとポジションを、今回の2試合で改めて確認しなければならない。鎌田は6月シリーズでインサイドハーフを任されたが、彼らしさは発揮されなかった。堂安と久保は4-3-3なら右ウイングになるが、このポジションは伊東が先行する。東京五輪に出場したふたりのレフティはインサイドハーフでの起用も想定されるが、それも彼らの適正ポジションとは言いがたい。
システムを4-2-3-1へ代えれば、鎌田はトップ下、堂安は右サイドに当てはめることができる。久保はトップ下と右サイドのどちらのポジションでも、左サイドでもプレーできる。
ドイツ、コスタリカ、スペインとのグループステージを突破するには、当たり前だが得点を奪う必要がある。所属クラブで好調な彼らの攻撃性能を生かし、攻撃力アップとバリエーション増につなげたい。カタールW杯で大迫勇也抜きで戦うことも想定しつつ、鎌田らを起用するオプションを用意しておくのだ。
原口と柴崎も、4-3-3にスムーズにはまるタイプではない。しかしながら、2018年のロシアW杯を知る彼らは、川島らとともにチームの一体感を作り出してきたコアメンバーだ。森保監督のこれまでの選手選考から判断すると、今回の招集で彼らにも当確の印がついたと考えられる。