■伊藤が左SBで長友は右SBに?
後半は左CBにポジションを変えた。2対0で迎えた59分、失点につながるパスミスをしてしまったが、このポジションで戦えることはシュツットガルトでのパフォーマンスが証明する。
ふたつのポジションに対応する伊藤の起用に目途が立てば、最終ラインのオプションが増える。パラグアイ戦にフル出場しており、疲労が懸念されるところはあるが、ブラジル戦でも先発で起用したい。ポジションは左SBで、両CBは吉田と板倉滉、右SBは山根視来で最終ラインを構成する。
長友の右SB起用も想定内だ。酒井宏の復帰が予定よりも遅れたり、トップフォームを取り戻すのに時間がかかったりしたら、彼を欠いた戦いも覚悟しなければならない。その場合は山根に加えて冨安の右SB起用が視野に入るが、長友を右へスライドさせるのもオプションのひとつだ。
ブラジル戦で伊藤を左SBで起用するのは、彼のフィードがカウンターの起点に成り得るからだ。森保一監督は「W杯の対戦相手を考えたときに、速攻ができるときは速攻を仕掛ける」と話す。攻撃のすべてが速攻狙いではないが、カウンターのイメージは共有しておきたい。
そこで、伊藤である。ブラジルとの力関係から判断すると、ボールを奪う位置が低くなることも想定される。そのなかで伊藤のロングフィードと前線の動きがシンクロすれば、カウンターを成立させることができるはずだ。
3トップの最前線には、古橋亨梧を起用したい。昨年11月のオマーン戦を最後に国際試合から遠ざかっていた彼は、パラグアイ戦で82分からピッチに立った。代表でプレーする感覚を取り戻してもらうためにも、DFラインの背後へのランニングに長けた彼をスタメンに指名する。