■どうした町田? 7試合連続勝利なし
5月4日に行なわれたJ2第14節が終わって、上位陣で気になるのはFC町田ゼルビアだ。
ランコ・ポポヴィッチ監督が指揮するチームは、7節まで現在首位の横浜FCとほぼ並走していた。ところが、8節のジェフユナイテッド千葉戦から今節のレノファ山口FC戦まで、7試合連続で勝利をつかめていない。3分4敗だ。通算成績は5勝4分け5敗で、13位まで後退している。
難しいゲームが続いたのは事実である。9節はV・ファーレン長崎、10節はモンテディオ山形、11節はヴァンフォーレ甲府、12節は横浜FC、13節は徳島ヴォルティスと、J1昇格争いのライバルとの直接対決が並んだ。
今節の山口戦は、中2日でのアウェイゲームだった。山口は中3日で、しかもホームでの連戦だった。日程のハンディを背負いつつ、28度を上回る暑さにも見舞われる。
町田には厳しい条件が揃っていたが、試合の入りは悪くなかった。開始2分に太田修介がファインゴールを突き刺して先制したが、前半のアディショナルタイムに2連弾を喫し、試合を引っ繰り返されてしまう。山口の“維新劇場”に、一気にのみ込まれてしまった。
1点差を追いつけずに迎えた86分には、自陣右サイドでのボール処理のミスから3点目を喫してしまう。2失点目も自陣でのボールロストが原因だった。自滅とも言える敗戦だった。
試合内容が極端に落ちているわけではない。だからこそ、勝利から遠ざかっている事実が重い。
今節は5連戦の4試合目だったが、ポポヴィッチ監督は7人のフィールドプレーヤーを先発で使い続けている。先発を入れ替えないのは今回に限ったことではなく、メンバー固定で生まれるメリットを最大限に追求するのが、54歳の指揮官のチーム作りだ。しかし、現時点においてはデメリットが表面化している。
中3日で組まれた5連戦の最終戦は、水戸ホーリーホックとのアウェイゲームだ。秋葉忠宏監督率いる水戸も、試合内容と結果がリンクせずに苦しんでいる。どちらにとっても勝利が欲しい一戦で、町田は負の流れを断ち切ることができるか──。