■ポポヴィッチ体制3年目の町田は「機は熟した」
J1昇格候補としてリストアップした6チーム。
【昇格可能性 A+】大分トリニータ、V・ファーレン長崎、FC町田ゼルビア
【昇格可能性 B+】ジェフユナイテッド千葉
ランコ・ポポヴィッチ監督が就任3年目を迎えた町田は、「J1昇格へ、機は熟した」と言える。昨シーズンは64得点38失点で得失点差はプラス26を記録した。34節から9戦負けなし(4勝5分)でフィニッシュし、18年の21勝に続く20勝を記録した。
昨シーズンの主力では、10得点10アシストの吉尾海夏が横浜F・マリノスへレンタルバックしたが、2月13日にヴィニシウス・アラウージョの獲得が発表された。
山形で20年、21年に14得点を記録したブラジル人FWの加入は、攻撃力アップに直結する。開幕直前に飛び込んできたビッグニュースで、これにより町田のJ1昇格の可能性がさらにアップした。吉尾のポジションは松本山雅FCから加入した山口一真、昨シーズン9得点の太田修介らが争うことで、チームとしてクオリティを維持していけるだろう。
さらに15日には、CB菅沼駿哉も迎えた。ガンバ大阪を退団した31歳の加入は、水本裕貴(SC相模原)の移籍を補うものになる。深津康太と高橋祥平に加え、菅沼と岡野洵(千葉から加入)がCBの候補となった。
2月には新たな練習拠点として、天然芝2面のグラウンドにクラブハウスが併設された。J1昇格への基準をすべて満たすこととなり、「あとはJ1に上がるだけ」となった。それもまた、町田の選手たちを突き動かすモチベーションである。
大分、長崎、町田に続くJ1昇格候補は、横浜FCと予想する。
左SBを主戦場とする亀川諒史(長崎から加入)、守備のマルチタレント和田拓也(横浜FMから加入)とハイネル(サンフレッチェ広島から加入)、新加入で主将に任命されたMF長谷川竜也(川崎フロンターレから加入)らは、チーム力を底上げする即戦力だ。
さらに、東京Vで馬力ある突破を見せてきたウインガー山下諒也、東京五輪世代のストライカー小川航基(ジュビロ磐田から加入)も、スタメンに絡んでくることが期待される。クレーベ、サウロ・ミネイロ、フェイリペ・ヴィゼウのブラジル人を擁するアタッカー人は、質量ともにJ2でズバ抜けている。
得失点差プラス20以上のノルマは、このチームには難しくないように見える。少なくとも攻撃陣は、60得点をクリアしてきそうだ。
守備陣も不足はない。CBがやや少ない印象があるものの、四方田修平監督がうまく対応するだろう。各ポジションに経験豊富な選手が揃っており、好不調の波を小さく抑えることができれば、昇格争いに絡んでいくはずだ。