
J2チームの補強を査定する「J2のミカタ特別編」の第2回では、モンテディオ山形と大宮アルディージャを取り上げる。
21年のJ2を7位で終えた山形は、数人の主力を抜かれたもの20年と同レベルの戦力を整えた。昨年5月に就任したピーター・クラモフスキー監督のもとで、攻守におけるベースは出来上がっている。J1昇格争いに絡みそうだ。
一方の大宮は、リスタートのシーズンとなる。20年は15位、21年は16位と、2年連続でJ1昇格争いに関われなかった。昨年はJ2残留争いに巻き込まれている。
それならばと、一気の巻き返しを連想させるような大型補強もしていない。昨年6月からチームを率いる霜田正浩監督のもとで、全体の底上げをはかりながら順位を上げていくイメージだろうか(#1・2のうち2)。
■大宮は外国籍選手なしの編成に
2年連続で下位に沈んだ大宮は、例年以上に主力が入れ替わっている。クラブ生え抜きで2年連続チーム得点王の黒川淳史がジュビロ磐田へ、左利きのDF河面旺成が名古屋グランパスへ、右SBとして昨季最多出場の馬渡和彰が浦和レッズへ、それぞれ移籍していった。さらに、左右両サイドに対応する翁長聖(FC町田ゼルビアへ移籍)、ボランチ石川俊輝(ヴァンフォーレ甲府へ移籍)、CB櫛引一紀(V・ファーレン長崎へ移籍)、CB山越康平(東京ヴェルディへ移籍)らが、完全移籍や期限付き移籍でチームを離れた。
ジュニアユースから大宮育ちの渡部大輔(相模原へ移籍)も、契約満了となった。外国籍選手もひとりもいない。昨年6月から指揮する霜田監督のもとで、大宮は新しいフェーズに突入したと言える。
新加入選手には即戦力が並ぶ。
まずは触れるべきは泉澤仁だ。ドリブル突破と高精度のクロスに定評のあるサイドアタッカーが、Jリーグデビューを飾った古巣に6年ぶりに戻ってきた。昨年は甲府で自身初の2ケタ得点をあげている。前回在籍時は家長昭博に特徴を引き出してもらう立場だったが、30歳となった現在は攻撃の牽引役として期待される。
矢島慎也(G大阪から加入)の獲得も大きい。27歳のMFは、ボランチからサイドハーフまで幅広くプレーする。ボランチの新戦力を獲得していることを考えると、2列目の戦力として計算されているのかもしれない。いずれにしても、中盤の一角に食い込んでいくはずだ。
日本サッカー協会の技術委員長を務めた霜田監督とは、16年リオ五輪代表当時に共闘している。コミュニケーションは取れていると考えていい。