■東京五輪のフランス戦まではほぼ完璧だったが…
――大住さんは内容に納得がいっていないようですが。
大住「オリンピックに向かう段階までは、こうあるべきだろうという形で強化が進んでいたし、オリンピック直前には五輪代表の方が日本代表よりもよほど活気のあるサッカーをやっていた。そうなることは予想できたし、その勢いがそのまま五輪後のワールドカップ最終予選につながるだろうと思っていたんだけど、ワールドカップのアジア最終予選に入ってからの日本代表は「あのオリンピックはいったい何だったんだ」という感じの後戻りをしていて…。冴えない攻撃をしているよね。五輪までは納得がいったけど」
後藤「オリンピックのフランス戦までは完璧に近いくらいの出来だったけど、ニュージーランドと引き分けた頃からおかしくなってきたね」
――五輪が１年延期されたことで選手の成熟も進むと指摘されていたので、もっとＵ－２４からフル代表で主力になる選手が出るかと思いました。
後藤「融合は進んでいるんじゃないかな。だって冨安健洋はレギュラーに定着したし、田中碧も定位置を確保しつつある。これから中山雄太もポジションを取るでしょう。堂安律、久保建英については、五輪世代だということをみんなが忘れているくらい。過去のオリンピックを振り返っても、２年後にワールドカップに行けた選手は本当に少ないんですよ。それなのに、このままでカタール大会に進めば、先発１１人のうち５、６人は東京五輪世代でしょ。だから、森保一監督と同じく兼任監督だったフィリップ・トルシエ体制以来となる、たくさんの五輪世代が続くワールドカップに出場する状況だと言える。
大住：それはそうなんだけど、いま一番の問題である攻撃の部分で、もっと良い選手がいるのに古い選手を使っているというのが、解せないということなんだよね」
