■代表監督に推薦したい京都の左SB荻原
日本代表で新たな人材の登場が待ち望まれるポジションと言えば、左サイドバックになるだろう。FC東京に復帰した長友佑都は健在だが、ベテランの域に入った彼に寄りかかるのはリスクを伴う。
森保一監督に推薦したい左サイドバックが、J2にいる。京都サンガF.C.の荻原拓也だ。
プロ4年目の今シーズンは、充実の時を過ごしている。浦和レッズから期限付き移籍した京都で左サイドバックに定着し、持ち前の攻撃力を存分に発揮しているのだ。
とにかく思い切りがいい。仕掛けの意識が高い。攻撃の局面では高い位置を取り、最後まで自分でやり切る。「なぜクロスを上げないでボールを下げるのか」とか、「なぜ自分でシュートを打たないのか」といったストレスを、この21歳はほとんど感じさせないのだ。
プレーエリアはタッチライン際をメインとする。チョウ・キジェ監督が指揮する京都は4-1-2-3のシステムを基本とし、インサイドハーフが内側のレーンにいることもあり、荻原がハーフスペースを使う機会は多くない印象がある。だからといって、物足りなさを感じさせることはない。いつでもアグレッシブな姿勢が、そのプレーにくっきりとした輪郭を与えている。
左サイドを疾走する背番号17は、京都に欠かせない選手だ。10年以来のJ1昇格に接近するチームで、荻原は試合を重ねるごとにプレーのレベルをアップデートしている。