■「結局は相手のアンカーをどう抑えるか」
―相馬と旗手を代えたのは驚きませんでしたか?
大住「相馬も何回かやっているうちに読まれてきていたよね。それに久保から貰って、内側へ入ってシュートを打った場面とかを見ると、やっぱり彼もかなり足にきている、踏ん張れないような状態だったんじゃなかったのかな。
出場時間は極端に長いわけではないけど、それでも彼は全部の試合に出ていたし、かなりの疲労があったと思うよ。あの小さな身体で守備も奮闘していたしね。あの場面で旗手ではなく三笘を出せるくらいのね、三笘のコンディションに対する信頼性があれば良かったんだけど、そこまではなかった」
後藤「あとから考えると、今日の三笘ならあの時点で出しても良かった。旗手は計算できる働きをするし、守備にも効くもんね。相手の中盤のチェックもできる。
結局は、この間の試合と同じで、相手のアンカーをどう抑えるか。今回の試合は林が一生懸命に、7番のルイス・ロモとか、8番のカルロス・ロドリゲスのところに行って守備をしていたけど。旗手がいると、あそこを抑えるときに効くからね」
大住「たしかに旗手は、自分で突破するようなタイプではないけど……」
後藤「いろんなポジションができるし、同じ左のサイドハーフにいても、守備も攻撃もいろんなことができるから」
大住「という事は、久保や堂安が落ちた時に、その役割を代わることができる選手だということ」
後藤「たとえば、堂安がもっと疲れていた場合。旗手は右サイドもできるわけだから、左に三笘、右に旗手、というようなチェンジもできるわけだしね。堂安が今日はダメそうだなってなったら、中山を残したまま、旗手を右にとかね。
ああいう選手がいれば、いろんなポジションができるだけじゃなくて、試合のなかでいろんな交代ができるからね。フロンターレ監督の鬼木達監督が、そこらへんを上手く使っている」
―この大会は旗手がすごく伸びましたね?
大住「伸びたね。あと相馬も」
後藤「林も」
―上田はどうですか?
大住「どうかな……もっとできたはず」
後藤「上田は、最後にやっと本来の調子に戻ったかなっていう感じ。去年の鹿島アントラーズの頃は本当にすごかったじゃない。あの頃ほどには、まだ到達していない。やっと普通の上田に戻ってきたかな、っていう感じ」
大住「今日のシュートは平凡だったけどね、ちょっと悲しかった」