【東京オリンピックサッカー】残り一戦の激論(3)「久保建英は吉田麻也の域に達してほしい」「日本のゴールは谷晃生に任せていい」「ヘディングは日本サッカーの弱点」の画像
久保建英 写真:中地拓也
8月3日、東京五輪男子サッカーの準決勝に臨んだ日本代表。優勝候補のスペイン代表を相手に延長戦を戦い0−1で敗れた。久保建英堂安律を中心に攻め、吉田麻也板倉滉が鉄壁の守りを見せ、120分のうち115分を無失点に抑えたものの、最後の最後でマルコ・アセンシオにスーパーなゴールを決められた。6日には銅メダルを懸け、メキシコ代表との3位決定戦を控えるなか、大住良之と後藤健生が日本のサッカーについて激論を交わしたーー。
※第2回はこちらから

 

―GKの谷晃生もよかったですよね

大住「谷は素晴らしいね。ときどき若さ出るけどね」

後藤「パスを繋ごうとしてカットされちゃったりね」

大住「だけど、もう日本代表のGKは谷に任せてもイイかな、って思えるくらい。高いボールにも強いしね」

後藤「パンチングが高く飛ぶんだよね。あれはいいよね。時間がそれでほんの1秒稼げるし。で、パンチするかキャッチするかの判断がすごい的確だし」

―1対1でだいぶ止めていましたね

大住「2回か3回止めてたよね。最初に9番に抜けられたときは“ああやられた!”って(笑)。まあ、けっきょく今日0-0の延長まで行ったのもさ、スペインの決定力にかなり問題があったよね」

さっき、堂安と久保の話が出たけど、2人とも90分で代えた。あの森保監督の采配はすごくよかったと思う。なかなかこれまで久保と堂安を2人ともなくしちゃうのはつらい、ひとりは残しておきたいというのが見えたんだけど、それよりもフレッシュな選手を入れようと2人をポンと外して。

 しかも、代わった選手の前田にしても三好にしてもけっこうよくプレイしてたから。あの交代はプラスになったと思う。

堂安や久保が出てたら何か違うことをしたかもしれないけど、チームとしては、全員で戦うんだというメッセージが出てすごくよかった」

後藤「残しておける状態なら残したかったけど、あれ以上は無理だったよね」

―強引なプレーが最後の方は目立っていましたね。

大住「久保は意識過剰な面もあったし、もうちょっとクールなはずなんだけどな、って思ったね」

―それほど、賭けるものがあった?

後藤「最初の3試合で点とっちゃって、よけいにその気持ちが強くなりすぎちゃった」

大住「表情見てたらかなりイライラしてたよね。味方にも相手にも文句言ってたし。まあ、そういうことを乗り越えなきゃいけない。吉田の域に達するまでには……」

後藤「そうね10年かかる。まさか吉田があんなにすごい選手になるとは。みんなそうだけどね」

大住「1点取られた直後、吉田を前に出して、田中に代えて橋岡を入れて。あれも采配としてはこんなこと考えてたんだ、っていうのが分かって面白かったよね。けっこうね、吉田のヘディングに相馬が抜けて、っていうシーンもあった」

後藤「一発、完ぺきにハマったよね」

大住「もうちょっとで、吉田がヘディングシュートキメるんじゃないか、っていうのもあったしね」

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