■8月3日準決勝、対スペイン戦。直前の対戦が「プラスに作用することを期待します」
これでベスト4です。五輪というビッグトーナメントでベスト4まで来た時点で、以前の日本ならば評価される成功ラインだと思います。しかし、今回の日本はメダル獲得を公言してきたチームです。本当の戦いは、ここからかもしれません。
その8月3日の準決勝は、スペインが相手です。ニュージーランドは日本対策を施し、やり方を変えてきましたが、おそらくスペインはこれまでと同じような戦いをしてくるでしょう。4・3・3で相手を見ながらボールを握り、技術とビジョンで穴を見つけ、崩してくるはずです。五輪直前にテストマッチをしていることを合わせても、今回は分析がしやすい。
相手の出かたを想定できるとするならば、勝敗の分かれ目は日本の出方だと思います。直前に対戦し、肌感覚で分かっているものが、プラスに作用することを期待します。
言うまでもないことですが、東京五輪はこのチームにとって集大成の大会です。ピッチに立つわけでもない僕も、準決勝でスペインと対戦すると考えただけでワクワクします。自分たちの良さを発揮して、全力でぶつかってほしいですね。
頑張れ、日本‼️
(構成/戸塚啓)
なかむら・けんご 1980年10月31日東京都生まれ。中央大学を卒業後03年に川崎フロンターレに入団。以来18年間川崎一筋でプレーし「川崎のバンディエラ」の尊称で親しまれ、20年シーズンをもって現役を引退した。17年のリーグ初優勝に始まり、18年、20年に3度のリーグ優勝、さらに19年のJリーグYBCルヴァンカップ、20年の天皇杯優勝とチームとともに、その歴史に名を刻んだ。また8度のベストイレブン、JリーグMVP(16年)にも輝いた。現在は、育成年代への指導や解説活動等を通じて、サッカー界の発展に精力を注いでいる。