■右サイドのガチンコOA対決

 日本にとって、この試合で最も試されるのが守備陣の強度だ。日本のオーバーエイジ3人のうち2人が最終ラインにいて、残る1人もボランチに入ることから分かるように、森保一監督は守備をしっかり築いたうえで攻撃に転じたいという意図がある。つまり、守備が機能しなければ、日本代表としてのチームが機能しないことになる。日本代表の4バックは、吉田麻也酒井宏樹のオーバーエイジ2人に加え、冨安健洋もA代表の主力。さらに左サイドバックの中山雄太もフル代表での出場経験を持つ。相手がスペイン代表だからとひるむのか、それとも、日本の底力を見せるのか。

 特に日本の右サイドは、オーバーエージ同士のガチンコ対決となる。つまり、酒井宏樹とマルコ・アセンシオの対決だ。酒井はリーグ・アンでブラジル代表ネイマールも押さえるなど、十分に対抗できる守備クオリティを持つ。ここでアセンシオをガッチリやり込めるなら、他のポジションに余裕を与えることができる。

 また、中央のダニ・オルモはポストプレーも行いながら、サイドに流れてのプレーも好む。本職は左ウイングということもあって、酒井とアセンシオの対決にダニ・オルモが加勢することも考えられえる。その際には、ボランチやセンターバックとの連携を生かしながら対処したい。個でも組織でも、これ以上はない試金石だ。

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