■「RESPECT 大切に思うこと」の理念
この疑問は、現役のJ1選手も持ったものだ。FC東京に所属するMF三田啓貴が、リアルタイムでTWITTERを更新。「ロスタイムとは。」と、暗に批判した。このツイートは3ケタのリツイートを数え、たちまち拡散。三田はこのツイートを削除し、「試合を見ていて少し熱くなってしまいました」と説明した。ここで大事なのは、現役Jリーガーですら疑問に思える笛だったのである。
仙台は「勝ち点2を失った」「勝ち点1を積み上げた」の両方が受け取れる結果をカシマで手にした。暫定的に降格圏から脱出したとはいえ、G大阪の消化試合数を考えればあくまでも暫定だ。
「勝ち点2」が、リーグ終盤で持つ重みは、今からでも予想できる。Jリーグクラブは、選手だけでなく、スタッフ、スポンサーがいて成り立つ。一度J2に降格すれば、スポンサーやサポーターが離れ、多くの人の生活に影響を与える。であれば、その笛が見ている人に分かりやすさを与えることは絶対条件となる。
Jリーグは「リスペクト」という言葉を大事にし、試合会場でリスペクトを訴える動画を流す。そして審判陣はシャツの右腕上部に「RESPECT 大切に思うこと」という文字を刻んでいる。この理念を徹底する必要があるのではないだろうか。