■SNSに並んだ疑問と怒りの声

「GKにとって、前に出るか飛び込むか選手が触るか、判断が難しいボールを蹴った結果、それがゴールにつながった」

 殊勲ゴールを決めた7番がこう振り返ったように、鹿島の選手が前のめりになる中で冷静さを生かしたシーンだったが、仙台にとってはそう簡単に受け入れられる事態ではなかったはずだ。後半のアディショナルタイムで示された時間は「5分」。にもかかわらず、公式記録での得点時間は「90’+7」。いろいろな意味で痛恨の出来事だった。

 そもそも、この試合展開でロスタイム「5分」ということ自体に違和感が大きかった。そのうえ、2分追加されたのである。仙台の選手やサポーターとしては、ゴールラインをずらされた感じがしてもおかしくない。

 実際、この時間にSNSには疑問と怒りの声が並んだ。

「なんで終わらんの」
「流石にこれは怒る。無理。無理だから。」
「ふざロス過ぎてブチギレてる」
「アディショナルタイムの計算方法について教えてください」
「Jリーグはそんなに仙台を落としたいんか?」

 仮に、5分を経過しても“チャンスが続いていたから”笛を吹くタイミングを狙っていたとすれば、その後も試合時間が続いていたことの説明がつかない。試合が終わったのは、DAZNの時間上で97分51秒。文字通り時間が“アディション”されたのである。同点弾の主役は、ファン・アラーノではなく主審の時計だった。

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