■後半アディショナルタイム5分を“守り切った”
この交代からわずか2分後に先制ゴールが生まれるのだが、このゴールには伏線があった。実は前半の引水タイムの際、原崎政人ヘッドコーチが相手の裏をめがけるような浮き球を指示していた。ご存じのとおり、63分の得点はDFアピアタウィア久がハイボールを相手の最終ラインの少し裏にクリアしたものを、西村がかっさらって決めてみせた。アピアタウィアのボールはその指示通りのもので、西村がそのボールを目掛けて走ったのも、実はベンチからの「拓真、走れ!」と指示したからだ。選手とスタッフがみんなで勝ち取ったゴールだった。
その後、仙台はリードを保ったまま後半アディショナルタイム5分を“守り切った”。だからこそ、痛恨となってしまった。「97分」に鹿島の同点ゴールを決めた立役者が、両チームの22人ではなく、主審だったからである。