■192センチの高さだけではない

 その得点力が、今季はなくなった。新しく選手を補強したものの、外国人選手はコロナ禍の影響で合流までに時間がかかった。3月22日に加入が発表されたFWペドロ・ハウルだったが、リーグ戦に初めて出場したのは4月24日の徳島戦。しかし、コンディション不足やチーム戦術の理解で苦しみ、柏初ゴールは6月27日まで待たなければならなかった。

 しかし、その湘南戦からおよそ2週間後のこの鹿島戦でもゴールを決め、本来の嗅覚を取り戻しつつある。しかも、それ以上にチームにとって大きいのがポストプレーだ。柏はボールを奪うと、鹿島のゴールに向かって素早くカウンターを発動させたが、ペドロ・ハウルが最前線でボールを受け、うまくさばいたからこそ速攻は効果を増した。クリスティアーノが右サイドでそのテクニックを披露できたのは、中央に強力なストライカーがいたからこそだった。

 ペドロ・ハウルは192センチと高身長で空中戦でもバトルできるうえ、足元も正確だ。オルンガの身長は193センチと1センチ及ばないが、最前線での高さでの脅威に差はない。ここまでの3得点はすべて右足。湘南戦でヘディングでのアシストを記録したように、今後はその高さを生かしてクロスからの得点も増えてくるだろう。

 足元ができて空中戦で戦えるストライカーが貴重なことは言うまでもなく、だからこそオルンガの穴を埋めることに苦労してきたが、ペドロ・ハウルがさらにチームになじめば、積み上げる白星の勢いは加速するはずだ。

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