■試合後、スタジアムに戻ってきた西川が取った行動
一方、神戸戦の選手挨拶が終わったあと、こんな場面があった。選手全員がロッカールームに戻り、サポーターが帰り支度を進める中、西川が一人でスタジアムに戻ってきたのだ。上はトレーニングウェア、下はユニフォームという姿で、西川はスタジアム内でランニングを始めた。
試合後にはオンラインでの会見があるが、両チームの監督と選手がそれぞれ2名ずつ登壇し、毎試合で約1時間ほど行われる。西川は神戸戦の試合後の会見中、そのほとんどの時間をランニングに費やしていた。
しきりに時計をチェックし、一人で黙々と埼スタのピッチを周回して走る。時には座席から送られるサポーターの声援に応えながら、およそ10周を走った。それが終わると、メインスタンド側からバックスタンド側へダッシュをしてはそれを繰り返す。西川の“自主トレーニング”は、時間にして30分ほどだった。
先日のカップ戦で、西川は、「僕の今の立場としてはリーグ戦に出られていないが、どんなことができるのかと考えを整理しながらできていて、こういった時間も生きてくると思っているはず」と、話していた。
西川も、先月にJ1通算500試合出場を達成したばかり。ここで簡単に鈴木にスタメンを明け渡すつもりではないのだろう。自分にできることを積み重ねようという姿勢が伝わってきた。
チーム内で競争が激しくなることで、選手同士が切磋琢磨することは、今の浦和にとってチーム力を高めるための好循環をもたらしているように感じる。
連戦はまだまだ続く。次節は中3日でサンフレッチェ広島とアウェーで対戦する。各ポジションのスタメンも楽しみだ。
■試合結果
浦和レッズ 2-0 ヴィッセル神戸
■得点
47分 田中達也(浦和レッズ)
85分 キャスパー・ユンカー(浦和レッズ)