【J1分析】浦和が3連続完封勝利!(2)加速する“守護神争い”18歳GK鈴木彩艶が記録達成!西川周作が試合後の埼スタで見せた「積み重ね」の画像
川口能活氏の記録に並んだ浦和レッズの鈴木彩艶 撮影/渡辺航滋

■5月22日/J1第15節 浦和レッズヴィッセル神戸 (埼スタ)

 浦和レッズとヴィッセル神戸の試合は、MF田中達也とFWキャスパー・ユンカーがそれぞれ連続ゴールを決めて、2-0で浦和が勝利をおさめた。

 攻撃陣の好調さもさることながら、直近の浦和において注目が集まっているのは、GKのポジション争いだ。長きにわたって浦和の絶対的な守護神としてゴールを守ってきたGK西川周作。そして、リーグ戦第13節の仙台戦で先発に抜擢されて以来、スタメンの座を手にしているGK鈴木彩艶。2人の熾烈なポジション争いは、チーム内での競争が激化している浦和を特に象徴的するものである。

 仙台戦でJ1デビューを果たした鈴木は、今節で3戦連続でスタメン出場となった。また、3戦連続でクリーンシートでの勝利に貢献し、1995年に川口能活氏が横浜マリノス在籍時に達成した記録に並んだ。これは史上二人目の快挙となる。

 18歳の鈴木だが、プレーはすでに安定感がある。先日も、U-24日本代表に飛び級で招集されたばかり。また、今節でも後半19分に元スペイン代表である神戸のMFアンドレス・イニエスタのシュートを見事にセーブした。イニエスタがペナルティエリア内の右側からシュート性のクロスを上げると、鈴木は落ち着いてボールの軌道を読み、左手で防いだ。そのシーンについて問われると、「コースはあまりない角度だったので、自分としては先に動こうとせず、ボールに対して反応するというスタンスを取っていた」と、世界のレジェンドを相手に冷静な判断をしていたという。

 試合後の会見で、記録達成について問われた鈴木は、「(川口氏の)その記録は意識していなかったが、達成できたことは率直に嬉しいです」と、笑顔を見せた。「川口さんは若い頃からレギュラーとしてプレーしていて、落ち着きもあったと思う。自分も、若いからというわけではなく、落ち着きを持ってプレーしていきたい」と、大先輩と自分のパフォーマンスを重ね合わせた。

 それでも、鈴木は「守備陣に助けられていることが多い」と言い、「自分としては課題が多く残った試合でした。攻撃やビルドアップのミスでボールを失うことが多かったり、(後半19分のシーンにおいて)混戦の中で弾いてしまうと相手に詰められてしまうので、キャッチにいくのか、もっと大きく弾くのかは今後の課題だと思う」と、具体的な反省点を挙げた。

 しかし、「自分自身が主体となってプレーできていると思う」と、デビュー戦から比較して、成長や手応えも感じている様子。無失点の連続記録をどこまで伸ばせるか。“新・守護神”の活躍から目が離せない。

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