■2人の関係性を物語る得点直後のシーン
長谷川は久々の先発出場だった。スターティングメンバーに名を連ねたのは今季はこれが6試合目だが、川崎にとって天王山だった名古屋との首位攻防2連戦では出場機会がなかった。しかもアウェイで行われた4月29日の初戦はベンチ外。悔しい思いがあったはずで、ガンバ戦の試合前のウォーミングアップではチームの先頭を走っていた。試合への思いが満ちあふれていた。
そんな長谷川を思ってか、ダミアンは長谷川を称えるように担ぎ上げると360度回してみせた。ダミアンも長谷川も満面の笑顔。ダミアンは長谷川を下に下すと今度は肩を組んで、まるで親子のような姿を見せて自陣に戻った。2人の関係性を物語るシーンだ。
長谷川は三笘薫と先発の座を争う立場にあり、この日も70分に三笘と交代。その三笘が短い出場時間の中でドリブルから得点を奪っている。また、ベンチに下がったあとの長谷川は足を痛そうにしていた。そんな長谷川に対して、試合後にダミアンはこう語っている。
「竜也の特徴をしっかり出してくれて、積極的にドリブルでしかけてくれた」
キャプテンとして、“アシスト”してくれたドリブラーに対して、ほめたたえた。「(長谷川のドリブルでボールが)ディフェンスに当たってこぼれてきたと思う」と冷静に見てはいたが、その積極性は長谷川のものだ。