■右サイドバックのまさかのオーバーラップ

 後半も攻めにかかる川崎は、さらに追加点を奪う。50分、三笘が左サイドをドリブルで切り裂くと、中にクロス。これに合わせたのが、右サイドバックの山根視来だ。攻撃的サイドバックのまさかのオーバーラップに名古屋守備陣は意表を突かれ、川崎が初戦に続いて複数得点を奪ってみせた。

 川崎がそれでも攻め続けたことで名古屋のディフェンス陣は動揺したのか、59分にはアウェイチームがオウンゴール。川崎はリードを3点差に広げる。ただし、そこから名古屋が追いすがり、73分に稲垣祥が得点。83分にはマテウスがフリーキックを直接決めて、点差を「1」とする。

 鬼木監督は、終盤に車屋紳太郎をピッチに送り込むなど逃げ切る姿勢を示し、これに川崎イレブンも応えて体を張った守備を見せる。5分のロスタイムを無失点に抑え、このまま試合を締めることに成功した。

 これで川崎と名古屋の勝ち点差は「9」。国内最強を示しただけでなく、やや気が早いものの優勝に“当確”ランプがともったのではないか。とはいえ、今季の目標はアジアチャンピオンだ。国内で示した強さを、今度はACLで示す必要がある。また、独走態勢に入ったからといって、負けるわけにはいかない。

 次節はアウェイでのガンバ大阪戦。昨季優勝を争った青黒のチームは低迷しているが、その実力に疑いの余地はない。大阪の地に乗り込んで、さらなる強さを見せつける。

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