②置き去りにされた現場

 グループステージで18試合、プレーオフを2試合、そして決勝トーナメントで5試合を戦えば、年間で最大25試合になる。8月から5月の約40週のうち、25回もミッドウィークを使うことになる。

 チャンピオンズリーグの本選から参加した場合、決勝まで戦うと13試合だ。選手への負担は大きくなる。

 シティのペップ・グアルディオラ監督やリバプールのユルゲン・クロップ監督は日程に苦言を呈することも多いが、今回のフォーマットはそういう現場の声を反映したものにはなっていない。

 また、この騒動によって選手たちは自身が関与していないにもかかわらず批判を浴びることにもなっており、現場が置き去りにされている。

 これはスーパーリーグ側だけでなく、UEFAもそうだ。

 先のUEFAと各国の共同声明の中で該当チームに対し「現在のコンペティションからの除外や、所属選手の代表チームでの活動からの追放」という厳しい文面を加えたが、それはやはり現場を無視した争いに持ち込もうとしてしまっている。

 自分たちの意見を言う機会がないまま新たな金儲けの道具にされた該当クラブの選手たち、そしてこの影響を受けるサッカー界全体の選手たちを守るべく、FIFPro(国際プロサッカー選手会)は「試合の中心にあるべきほとんどのもの(ファンや選手を含む)が見過ごされている」と声明を出し「選手を資産として交渉材料にすることは受け入れられず、選手の権利を侵害するどちらの措置にも積極的に反対する」としている。

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