■福岡が全力で手繰り寄せた連続チャンス
川崎の2人の「切り札」が機能する前に福岡が圧力を高める。後半33分、川崎DF車屋がブルーノメンデスへのファウル(足を高く上げてしまった)でイエローカードを与えられると、前のFKからゴール前で「パチンコ」状態になったところをFWフアンマが反応よくシュート。川崎はGK丹野研太の好セーブに救われる。
勝利を決定づける3点目を奪うどころか、同点ゴールを決められかねない状況に鬼木監督が反応する。奮闘してきたMF遠野に代えて184センチのMF塚川孝輝を、そして小柄な左サイドバックの登里享平に代えて186センチのセンターバックのジェジエウを投入したのだ。
だがその直後に福岡がもうひとつ決定的なチャンスを迎える。ほぼ3本連続で訪れた右CKの3本目、前のクロスが三笘に当たって得たこの試合6本目のCK。前のキックはゴール前の集団の頭上を越え、ペナルティーエリア左に落ちる。そこにエリア外から走り込んだのは福岡の左サイドバック輪湖直樹。得意の左足でノーバウンドのボールに合わせたが、際どく右に外れる。
鬼木監督は「3点目」への最後の手を打つ。FW知念からFWレアンドロダミアンへの交代だ。あきらめずに攻め込む福岡に自陣に押し込められた川崎は、その状況を生かしてカウンターをかけ、三笘が立て続けにシュートを放つ。その2本目、後半43分のカウンターは、センターサークル内で田中からボールを受けた三笘がドリブルで進み、最後には圧倒的なスピードを見せてマークを振り切り、右から打ったもの。わずかに左に切れた。