■南野、古橋、大迫にも注目

 オーバーエイジの選手を入れる場合には、「チームにいないタイプを入れたい」というのがラレア氏の意見だ。そこでラレア氏が推すのが、「中盤で違いをつくる選手」という南野と、「日本にあまりいない縦に速く、相手の裏に抜ける選手」という古橋亨梧。そして「日本に1人しかいない」と評する、圧倒的なボールキープ力を誇る大迫勇也だ。

 久保、三笘といったすでに日本代表している実力者に、実際の日本代表が融合する。日本のメダル獲得がぐっと現実味を増すような、豪華な布陣となりそうだ。

 そうした選手たちが、五輪の後に本格的に日本代表で融合する。コロナ禍における昨年の空白期間の分、これからの日本代表の時間は濃密になっていく。1年7カ月後のカタールW杯へと、期待値も加速度的に高まっていく。

 1996年のアトランタ五輪から連続出場しているオリンピック本大会で、日本はあと一歩でメダルに手が届いていない。W杯でも、ベスト8を逃す悔しさを3度味わっている。だが、目標への距離はそう遠くないと、ラレア氏はみている。

「日本代表は、W杯で毎回ベスト8に行くかどうかという位置まで上がってきています。海外で経験を重ねている選手も多く、日本が次の大会でベスト16の壁を越える可能性は高いと思います。まだ海外でプレーしていない選手たちも、次のW杯までにヨーロッパやJリーグで経験値を高めていくでしょう。今の日本代表には、期待できるメンバーがそろっていると思います」

 そのためにも、やはり2021年を最高の1年にしなければならない。

Alex Larrea

スペイン、サンセバスチャン出身.元スペインサッカー協会会長の父、U-21スペイン代表で現在レアル・ソシエダ育成部長の兄など、エリートぞろいのサッカー一家で育つ。自身もカナダでプロとしてプレーした後、一度は会社員となるも、再び指導者としてサッカーの世界へ。ヨーロッパ最高位の指導資格であるUEFAプロライセンスを取得し、現在は日本でDV7サッカーアカデミーのディレクターコーチを務める。

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