■キャンプからの積み重ねとチームの信頼関係
前半40分、岩波は山中の左CKのクロスを豪快なヘディングで合わせ、今シーズン初ゴールを決めた。自身にとっては、2019年10月以来のゴールだ。
試合後の会見で岩波は、「試合に出続けていたけれど、ここまでの自分のパフォーマンスには納得がいってなかった。やっとチームに貢献できてよかったです。無失点で勝てたこともよかったと思う」と、安堵の表情を浮かべた。
岩波が久々の自身のゴールを喜ぶよりも先に「チームへの貢献」について言及したのにも、理由があった。
今週、チームには動揺が走った。鹿島戦から一夜明けた4月4日、トップチームの選手1人が新型コロナウイルスの陽性診断を受けたことが発表された。急遽、同日のチーム練習は中止となり、翌日の5日の練習も2グループに分かれて実施された。クラブハウスは使用せず、時間や人数を制限したうえで練習が行われたという。全体練習を再開できたのは、試合前日の6日だった。
鹿島戦で好感触を得て、その好調をキープしたいところに、突如、新型コロナウイルスの影響がチームを襲った。通常の状況とは異なる中でトレーニングが行われ、選手たちにも不安がよぎったに違いない。しかし、一致団結してそんな逆境を乗り越え、今シーズン初の連勝という結果を残すことができた。