【日本代表】続・晩春の激論 大住良之×後藤健生(8)「大迫勇也は他の選手では代えがたい」「日本サッカー協会の決死の覚悟」の画像
大迫勇也 代表撮影/JMPA

3月30日のW杯2次予選、日本代表対モンゴル戦は14対0という華々しいフィナーレとなった。その前日の3月29日には、U24日本代表がアルゼンチンを相手に3対0という完勝劇で、26日の0対1という敗戦のリベンジを果たした。3月の代表ウィークでのフル代表2試合、五輪代表2試合の計4試合は日本に何をもたらしたのかーー。サッカージャーナリストの大住良之と後藤健生ががっぷり四つに語り合う!

大住「3月の、このシリーズは日本サッカー協会が決死の覚悟でやったと思うんだよね。こんな状況の中で。もちろんオリンピック絡みでやってくれって言うのもあったと思うけど。それも含めてすごいプレッシャーだったと思うし。だけど、ワールドカップを目指すチームにとって、本当にプラスになった。去年の10月11月の活動と、今年の3月の活動は大成功だと思うよ」

後藤「そうそう。他の大陸ではまだできない、アジアの他の国もあまり試合ができていない中で、日本はこれだけ強い相手との試合をいっぱい組めたので、本当にすばらしい。しかも、去年はアフリカの2チームとメキシコと戦って、そして今年は韓国と対戦できた。強い相手と試合をする機会が、通常のスケジュール以上にできたというのがすごい」

大住「最初の試合が、もしミャンマーだったらあんな攻撃スピードが出なかったと思う。たとえば南野拓実とか大迫勇也が、ヒョイヒョイって抜けて、ボカンとシュートを撃って点が入る。そういうのではなくて、幅を使って、サイドを突破して、右サイドは伊東純也が開いて、松原健が中に入ってきて、左サイドは南野が内側へ入って、その外に小川諒也が上がってきて、みたいにあらゆる手を駆使して攻める、というのはミャンマーやモンゴルだけが相手ではできなかったよね。

 そういった面を考えると、本当にうまくチャンスをつかんだんだろうと思う。日本サッカー協会が無理してやったから、こういうチャンスをつかめたんだけど、それを代表選手のチームも監督もよく活かしたよね」

―本当にタレントが豊富で、今回の2チームが合流した時に、どんなふうになるのかがとても楽しみですね?

後藤「韓国やアルゼンチンみたいな強い相手と戦えたのは、本当に見ていて楽しかったね。それに生で代表の試合を見たのも久しぶりだし、それが本当に嬉しかったし、代表チームにとってもプラスにはなったんじゃないかな」

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