3月30日のW杯2次予選、日本代表対モンゴル戦は14対0という華々しいフィナーレとなった。その前日の3月29日には、U24日本代表がアルゼンチンを相手に3対0という完勝劇で、26日の0対1という敗戦のリベンジを果たした。3月の代表ウィークでのフル代表2試合、五輪代表2試合の計4試合は日本に何をもたらしたのかーー。サッカージャーナリストの大住良之と後藤健生ががっぷり四つに語り合う!
■9人メンバーを替えた第2戦で完勝
―まずは、3月29日のオリンピック代表のゲームから始めたいと思います。26日に日本はアルゼンチンに0対1で敗れて中2日で北九州に移動。そこで、同じ相手に3対0で勝利しました。
大住「すごく面白いゲームだったね。アンダー24の選手たちは、最初の試合はいいようにやられていたけど、第2戦で、しかもほとんどのメンバーを変えて戦って、第1戦の教訓があんなに活かされているとは思わなかった」
(※第1戦と第2戦のスタメンは9人を入れ替え。久保建英と板倉滉だけが2戦共通して先発した)
後藤「よく強豪チーム相手の試合について“レッスンを受けた”とか言うけど、本当にそのレッスンで学習していた。あれは素晴らしかった。ピッチ上で試合をして慣れたんじゃなくて、しっかりと分析して、意識を共有させて。試合に出ていなかった選手も、第1戦の教訓をもとにプレーしたわけだから」
大住「アルゼンチンはいつもと同じように戦ったんだけど、日本が本当にそれ以上に戦った。しかも、決定的な違いを作った選手が1人いたからね。その存在が大きかった。
やっぱり田中碧だね。あそこでボールが落ち着くし、そこからバックパスをしても、また戻ってきてそこから縦に入るし」
後藤「ポンポンとつないで、長いパスを出して」
大住「しかも、みんなへ的確な指示も出すし、すごくリーダーシップがあるように感じた。後藤さんはどうですか?」
後藤「あんな選手だとは思ってなかった」
―それはどういった部分ですか?
後藤「リーダーシップという意味で。周りを叱咤激励するような選手だとは思わなかった」
大住「去年まではやんちゃな感じがしたよね?」
後藤「それは普段、川崎フロンターレでやっているときは周りがすごい選手だらけだったから、自分でああしろこうしろという必要がなかったからね」
大住「今年の彼の川崎でのプレーは違うよね?」
後藤「そう、中心選手。だけど声を出して、周りにああしろこうしろっていうのはなかったよね? 川崎では必要ないのかもしれない」