■指揮官も選手も「もったいない」

 終了間際、大分は長身FW長沢駿を前線に置いて幾度となくチャンスを作ったが、ことごとく西川に跳ね返された。埼玉スタジアムの電光掲示板に何度も「Nice Save」と表示される活躍の場を与えてしまう。終了間際のコーナーキックでは、J1初先発となったGKポープ・ウィリアムも浦和ゴール前に上がる奇襲を見せたが、結局、再逆転はかなわなかった。

「こういう形で逆転されて、もったいない試合になった」

 片野坂監督がこう漏らしたように、悔しい敗戦。これで大分は7連敗と泥沼にはまってしまった。

 2得点を奪い、さらに終了間際にハットトリックの可能性もあった町田も、「もったいないという一言に尽きる」と言うしかなかった負け方だ。

「自分を含め、3点目を取るチャンスはあったし、そこが自分の弱さだと反省している」

 8番がこうも離したように、大分の課題は決めるところで決める力だ。この黒星で勝ち点を積み上げることはかなわず、大分の順位は18位のまま。大分が7連敗したのは2009年以来のことで、この年、大分はJ1で18チーム中17位に終わり、J2に降格している。今季は20チーム中4チームが降格という厳しいレギュレーションで戦っており、早めに浮上のきっかけをつかむ必要がある。

PHOTO GALLERY ■【画像】浦和レッズと戦った大分トリニータの写真全47枚■
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4