■強力な攻撃の陰に死角あり

 もちろん、川崎にだって、死角はあるはずだ。今後、それを見出して、それをピッチ上の戦いでどのようにして実現するのか……。つまり、昨年に引き続いて「どこのクラブが、どのようにして川崎を倒すのか」がJ1リーグの焦点となっていく。

 一つ、川崎に不安材料があるとすれば、3試合を消化した時点ですでに3失点しているところだろう。

 スーパーカップではガンバ大阪相手に前半のうちに2点を奪っておきながら、後半の途中に集中を欠いて2点を奪われて同点とされてしまった。クリーンシートを達成した横浜FM戦でも、前半はシュート数11本対3本という圧倒的な内容で2対0とリードして終えたが、後半に入ると、交代で登場した前田大然に裏を取られる場面が増えてしまった。

 そして、セレッソ大阪戦では、2度も先行される苦しい展開となった。2失点は、大久保嘉人のシュート技術によるものではあったが、やはりその最も警戒すべき大久保に対するマークが甘かったのは事実だ。

 もっとも、2点を奪われたG大阪戦も、C大阪戦も、3点を奪って勝利した。

「2点奪われても、3点取ればいいじゃないか」というのは、よく耳にするセリフだが、それを実際にやり通すことは簡単なことではない。実際に「3点取って」勝った川崎は大したものだ。

 だが、サッカーというスポーツは、いくら完璧な攻撃を続けたとしても、相手の守備が頑張って、GKが当たっていて、そして運に見放されたらゴールが決まらないことはよくある。

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