川崎を超えるのは川崎(2)不安材料は「3試合で3失点の守備」の画像
谷口彰悟選手(川崎フロンターレ) 撮影:中地拓也

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2021年、J1リーグの優勝候補から川崎フロンターレを外した予想が多く見られた。しかし、それをどこ吹く風と川崎は開幕から3連勝してみせた。本稿では川崎の弱点、今季、多くの人たちが懸念するACL参戦による過密日程がどう影響するのかを含め検討し、川崎の強さの理由を明らかにする。

田中碧の縦パスが敵陣を切り裂く!

 川崎の攻撃といえば、徹底的にパスをつないで相手を崩すという印象が強いが、昨年はロングボールで相手のスペースを突くような攻撃が増え、また三笘のドリブルという武器も加わった。そして、今年は右サイドでのパス攻撃と、左からの縦に速いドリブルを生かした攻撃がパターンとなっているのだ。

 昨年限りで引退した中村憲剛からのロングパスも、長い間、このチームの魅力の一つだった。

 だが、昨年あたりから、選手全員がチャンスさえあればロングパスを使えるようになっていたし、今シーズンは開幕早々から田中の縦パスが相手守備陣を切り裂く場面が数多く見られるようになった。中村のパスが相手守備の裏のスペースを突くものだとすれば、田中は味方の足元に強いボールを正確につけてくるのが特徴だ。

 スーパーカップでの後半追加タイムの決勝点も、田中がズバッと中央を割って遠野大弥に通した縦パスが効果的だったし、リーグ戦でも田中のパスが勝負を決めた場面が多いのは、先ほど紹介したばかりである。

 つまり、川崎フロンターレは圧勝した昨年と比べても、明らかに強くなっているのだ。「昨シーズンに比べて強くなったチームはどこか?」という問いに対しては、たとえば清水エスパルスとかサガン鳥栖といった答えも考えられるだろうが、その中でも最も強化が進んだのは川崎なのだ。

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