今季の新加入選手で、この日のスターティングメンバーに名を連ねたのはMFジョアン・シミッチだけ。ベンチ入りしたメンバーを見ても、新しく加入した選手は松本から獲得したMF塚川孝輝、レンタル復帰したFW遠野大弥、大卒ルーキーのMF橘田健人の3人のみである。

 つまりは昨年の川崎をベースにして、「昨年以上を目指す」(鬼木達監督)という道を選択したのである。一方で現実問題として、守田英正の穴を早い段階で埋める必要には迫られていた。昨季、アンカーとして絶対的な地位を確立した守田だったが、ポルトガルリーグに移籍。そのため、この富士ゼロックス・スーパーカップは新たなアンカーを迎えての試金石の意味もあった。

 この懸念点であるアンカーに入ったのが、先述したジョアン・シミッチだった。名古屋から移籍してきたブラジル人MFはボールを保持し、ちらし、そして、奪うという作業を高いレベルでこなしてみせた。川崎が序盤からボールを保持し、チャンスを作ったのは、シミッチがチームに融合していることを意味していた。

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