■2月20日/FUJI XEROX SUPER CUP 2021 川崎フロンターレ―ガンバ大阪(埼玉)
劇的な試合だった。3つのゴールは観客へのエンターテインメントで、前半と後半ロスタイムに配置されたイベントのようだった。それほど、ボールとゲームを支配する力があった。
この日、埼玉スタジアムに集まった観客やサポーターは4208人。もしコロナ禍でなければ、FW小林悠が勝ち越し弾を決めた瞬間、歓声や喜びでスタジアムが揺れたはずだ。過去最速での優勝、最高勝ち点、史上最多得点など、2020年シーズンにいくつもの記録を塗り替えたこのチームは、観る人を興奮させる術までも備えている。
今季初となる公式戦のスターティングメンバーは、昨季から大きく変更はなかった。アンカーにジョアン・シミッチが入った他は、目新しさはない。旗手怜央が左サイドバックを務めたものの、それも昨季の天皇杯からの継続である。昨季のリーグベストイレブンに9人もの選手が選ばれたのだからそれも当然かもしれないが、その9人のうち7人が試合開始時点でピッチに立った。