■歴戦の強者たちに新たな生命が吹き込まれた
浦和には、過去10年間を支えてきたベテラン選手たちが数多く残っている。9月には40歳になるMF阿部勇樹だが、ケガを克服し、ボランチとしても、またセンターバックとしても重要な戦力となる。DF宇賀神友弥、DF槙野智章、MF武藤雄樹、MF柏木陽介、そしてFW興梠慎三らが、Jリーグで、そしてACLで重ねてきた経験は、浦和の大きな財産だ。
「年齢は関係ない。監督としては、誠実に、平等に選手たちを見ることが大事」
ロドリゲス監督はそう話す。武田を筆頭に、新加入の金子、小泉、明本らの若手、そして昨年末の手術で少し出遅れるかもしれないが、まだまだプレーに衰えは見えず、「エース」の座を手放しそうにない興梠を筆頭としたベテランが、それぞれの力を最大限に発揮できる状況になったら、浦和はどのチームにとっても手ごわい相手になりそうだ。
ロドリゲス監督のパーソナリティーも、期待の要素だ。非常にオープンで、ポジティブ。浦和では、まず全選手と個別に面談をした。そのなかで、選手たちに自分の力を発揮できるポジションを第3希望まで言わせたという。選手の気持ちを尊重しながら、自分のスタイルに染め上げていく——。これこそ、成功への道だ。
徳島では優勝までに4シーズンを要した。しかし浦和では、ロドリゲス監督のサッカーのスタイルが浸透し、浦和をリーグの強豪のひとつに押し上げるまでにそう時間はかからないのではないか。何より、ベテランたちはその大きな力になるだろう。そしてそのなかで若手が成長し、新しい浦和が生まれていくはずだ。