■ボランチ岩尾の役割を誰に託すのか?
リカルド・ロドリゲス監督のサッカーで、核となるのはボランチだ。3バックでも4バックでも変わらない。
徳島ヴォルティスなら岩尾憲である。ロドリゲス監督の就任から4年連続で主将を務めてきた彼は、ビルドアップを担い、攻撃の方向性を定め、ディフェンスで要所に顔を出す。相手が中を締めてきたら外を使い、前からハメてきたら飛ばしのパスを選ぶといった使い分けは、この32歳が操作していた。彼抜きに徳島のサッカーは成立しなかった。
ロドリゲス監督が最初に考えるのは、岩尾の役割を誰に託すのかになるだろう。
プレースタイルから絞り込めば、阿部勇樹が最適任者だ。しかし、39歳のベテランにシーズンを通した稼働を期待していいものか。中長期的にチームを作っていく前提に立つと、現有戦力では29歳の長澤和輝が適任だろうか。岩尾のパートナーとしてレフティーの小西雄大が重用されたことを踏まえると、柏木陽介もダブルボランチの候補に入ってくる。
長澤には名古屋グランパスがオファーを出したと伝えられているが、浦和は湘南ベルマーレの金子大毅に興味を示しているようだ。湘南ではアンカーを基本にインサイドハーフでも起用されていた22歳は、22日から合宿中のU-23日本代表候補に招集されている。守備に軸足を置いたプレーヤーとの印象はあるが、展開力を発揮するようになれば、ロドリゲス監督のサッカーにフィットしそうだ。
現時点で補強のリストにはあがっていないが、川崎フロンターレからV・ファーレン長崎へ期限付き移籍していたカイオ・セザールは面白い。190センチ超えでリーチが長く、ボールを奪われない力は今シーズンのJ2でズバ抜けていた。ボールを持ち出す力も高い。新シーズンは川崎F復帰が濃厚と見られているが、浦和に限らずどのチームでも戦力になり得るタレントだ。