■長崎はまたも琉球に止められ…
首位の徳島ヴォルティス、2位のアビスパ福岡が勝点3を積み上げた一方で、3位のV・ファーレン長崎はFC琉球に0対1の苦杯をなめている。5節の対戦で5連勝を阻まれた相手に、またしても5連勝を阻止されたのだった。2位福岡との勝点差は、前節終了時点の「2」から「5」へ広がった。
試合後のフラッシュインタビューに応じた手倉森誠監督は、感想を聞かれると「うーん、ちょっと……」と沈黙した。敗戦後も言葉に詰まることのない指揮官には珍しい。悔しさを消化するために、沈黙が必要だったのか。5秒ほどの空白ののちに、言葉をつないでいった。
「まあ、プレッシャーを感じてね、何か気負いが出た試合になってしまったかな、と。昇格争いのプレッシャーとか、連戦のなかでの疲れだったりがあると思いますし。いまチームに話したのは“今日は疲れていた、そしてスキを突かれた”と。
最高の昇格のしかたというのは、11月攻勢で13連勝で決めるんだと勢いをもってきましたけど、前節までに使い果たした体力が今日は回復せずに、それがアダになった。まあでも、5連戦の始まる前は昇格圏内とは勝点差が8あったわけで、5連戦が終わって5に縮められたと思えば、残り8戦でまくれる可能性は我々にはある。それをぜひ示そうと、選手たちには話しました」
J1昇格を争う3チームは、試合を重ねるごとにプレッシャーを背負っていく。重圧は増すばかりだ。それに対して中位から下位のチームは、失うもののないメンタリティで挑んでくる。
新型コロナウイルスの全国的な感染拡大も気になる。今節は愛媛FCの選手に陽性反応が出たため、愛媛対ヴァンフォーレ甲府戦が中止となった。次の5連戦明けの12月9日に、代替開催されることになった。
J1昇格のプレッシャーを跳ね除け、対戦相手の勢いに負けず、ウイルスの脅威にも立ち向かう。徳島の歩みは堅実だが、福岡、長崎との三つ巴の争いは、まだまだ結末を見通せないと言うべきだろう。