指揮官が、「選手間の距離が遠すぎて一発になったり、その一発にしても、背後なのか、足元なのか、その使い分けができなかった」と振り返ったが、ピッチの上での“困惑”が大きかったのだろう。ここまで異例の勝利を挙げてきた川崎だけに、フレッシュな状態で戦えていれば、ピッチ上で90分間の間に解決できた可能性もある。しかし、中2日の連戦に加え、わずか2日前にはバンディエラの引退という衝撃的なニュースまであった。「体を動かすのは、頭だと思います。そこのフレッシュさはなかったかもしれません」(鬼木監督)というのは、選手の力を知っているからこその本音だろう。
とはいえ、今季の川崎はまだこれでリーグ2敗目。その強さにケチがつくものではない。ルヴァンカップ準決勝でFC東京に敗れたものの、あるいは、リーグ戦で名古屋に初黒星を喫したものの、チームをさらに高みに持っていくことでリベンジを果たしてきた。今季はもう札幌との試合はないが、記録づくめの優勝や中村憲剛の華々しい引退に向けて、この敗戦を糧にするはずだ。